




KG+個展「半架空の知覚法」で公開された新作で夫婦による共作。本作は下記の擬態デザインプロセスによって、惑星写真を食品のシズル感に原形を変えることなく見立てています。
1. NASAによる惑星写真(パブリックドメイン)を用意する
2. 色調変更などのレタッチをPhotoshopによるデジタル編集で行う。
3. 食器やパッケージなど、食品にまつわるイラストレーションをIllustratorで加える
4. 光沢のある食品は白色のタイポグラフィ、字間行間を詰めたAvenir Next、オールキャップスで文字組みを行う。
5. 食品との親和性の高いものが現れるまで、 1~4のプロセスをトライ&エラーで繰り返す
6. シズル感が強く現れる惑星と食品の組み合わせを見つけたら、ブラッシュアップを行う。元の写真が持つ惑星のテクスチャーを損なわないよう、細密に調整する
以上の過程で制作した緻密なアートワークを、クリスタルペーパーでの銀塩プリントに仕上げ、高精細に再現しました。
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惑星食品擬態標本「EARTH&MOON = EGG」
Tomoyuki Koseko + Yafa Koseko
year: 2023
edition: 5
dimensions: A4 W297xH210mm
paper: crystal paper
print: sliver halide print
限定5部/エディション・サイン入
フレームは付属しません
※額装をご希望の方はこちらのオプションをご利用ください
https://koseko.stores.jp/items/6176229a72eb4671a6d3be6c
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Statement
天体は多くの人々にとって直接知覚が困難な存在である。小瀬古智之はこのような図鑑の中でのみ認識できる、触れられない存在を「半架空(semi-fiction)」と定義した。本プロジェクトは半架空的存在を「シズル感」の視点でヴィジュアライズする実験である。
彼はNASAによる惑星写真(パブリックドメイン)の色調を変え、天体の要素を食風景の要素に見立てた。原形を細部まで残しながら食風景の視点に置換することで、天体に潜むシズル感を鮮明に可視化した。食の視点で天体の味・香り・音・食感を想像することができる。
半架空的である惑星に日常の食風景が接続した時、天体の捉え方はどのように変容するだろうか。コーヒーにミルクを攪拌していく日常の風景を、壮大な天体現象と重ねながら眺めていただければ幸いだ。