pages: 28p.(初回盤のみ32p.)
size: A4
material: paper (vent nouveau)
printing: laser printing
gitai 2023年の最新刊は、パン、コーヒー、マフィンのようにベーカリー系のモチーフに擬態した惑星の写真集です。左側には擬態した惑星のアートワークを、右側には元の惑星写真を配置し、左右の共通の要素を見比べながら眺めることを企図しています。
ー
gitai#08ステートメント:
惑星が実在することは誰もが疑わないだろう。しかし、実際の姿や手触りは地球上のほぼ全ての人が知り得ないことである。私たちは、図鑑やテレビ、インターネットなどのメディアで惑星を認識しており、惑星そのものを知覚していない。この認知のあり方を「半架空」と呼ぶことにした。
半架空の話は何も宇宙だけではない。直接会ったこともない人の発言が自身のタイムラインに流れるSNSもまた半架空的である。うっかりしていると、会って話したこともないのにその人のことを知った気になってしまう。
半架空の知覚法というテーマで、惑星の味覚を想像するイメージの実験を続けてきた。今号は惑星をパンに見立て、パン屋で眺めるような感覚で惑星を眺めることを意図している。
惑星とパンは異なる概念だが、テクスチャーの近似性を垣間見ることができる。カレーパンの色を変えると、惑星っぽく見えたりする。日常と宇宙の境界線を曖昧にすることで、半架空のものに対して、味覚の想像が生まれる。
パンを眺めるような感覚で惑星を眺め、半架空のものに対する五感の想像を膨らませるきっかけになれば幸いだ。